☆移住者の声 渡邊健太さん(串間市市木へ移住)

<移住のきっかけ>

ぼくは、3.11の震災をきっかけに、家族全員で千葉から串間に移住しました。千葉の家は築180年の立派な家で、半年かけてコツコツと直していたんです。しかし、完成後わずか1ヶ月も経たないうちに震災が起こりました。原発事故に対する知識があったので、大急ぎで軽バンに荷物を積めるだけ積んで、当時、1歳になったばかりの長男と家族3人でとにかく西に逃げたのです。友人のつてを辿って、ところどころで滞在しましたが、何かしっくりくるものがありません。避難の旅は、とうとう宮崎まで続き、友人を頼り、串間市の市木にたどり着きました。そこで、当時NPO法人Rainbow Tree(以下、レインボーツリー)の代表だった久志尚太郎さん一家と知り合い、「そういうことなら」とNPOに雇用していただいて、なんとか串間に住み始めました。

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<移住後の生活>

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当時のレインボーツリーは立ち上げたばかりで、仕事という仕事がありませんでした。話し合って、せっかくやるなら地域に根ざしたものがいい、という意見から串間の歴史を調べていくと、元来塩作りの文化があったことを知ったのです。話を聞いていくと、昔から使っていた塩釜が今でも残っているではありませんか。その塩釜を借り、昔から伝わる串間の伝統技法に則って、塩作りを復活させました。料理の旨味を引き立てる、自然海塩釜炊き塩です。その塩は、レインボーツリーの事業として柱となり、ぼくの大切な生業となりました。

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そのほか、自用の畑と田んぼ(手刈り、無農、足踏み脱!)、炭火ブンピザ屋、田暮らし体教室、いのちをいただくの解体ワクショップ、あとは男手の足りないところに出して、一日お父さんとしての役割を担う『シェアお父さん』など、日の暮らしそのものが仕事になるよう、暮らしと仕事の境界を行ったり来たりしています。経験み重なって、お米、、味噌が自できるようになると、日々の出り、外にお金を稼ぎに出ることの意味と価値わってきます。できれば、そういった自的な暮らし方、生き方をわかりやすく共有していくことが、大量消ではない世の中への大切な架けであるように思うのです。 

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<宮崎に住んでわかった、良い所

  移住後の苦労話>

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移住して4年目、この暮らし方は、たくさんの方に興味を持ってもらい、様々な年齢層の方が串間やぼくのところに遊びに来てくれました。ぼくたちにとっては、日々の生活の一部として当たり前のことが、ワークショップとなりました。今や「ぼくの生活=職業」になっているのです。これまではこういった生き方は少数派とされてきました。しかし、環境に負荷をかけない生き方が、社会の中で重要な意味を持つ日はそう遠くないと思うのです。ぼくは、ぼくの真似をしてくれる人が増えてくれたらうれしいのです。

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ぼくの住む串市の市木地区は、生きる力に溢れる所だと思います。海があり山があり、自然かな境が、全国的にもまれたロケションであることは間違いありません。食もかで旅人や外国人光客も多く、面白い人と出会えることが多いのも魅力のひとつです。移住して4年になりますが、ときには「移住者」というレッテルで、偏の目でられる事もあります。しかし、を合わせる近所のおじちゃんおばちゃんは、切に受け入れてくれるようになりました。そうやってだんだんと関係性ができてきたので、食べ物のおすそわけをいただいたり、力仕事の依をいただいたりしています。今では地元のお祭りにも混ぜていただいて、子舞を踊るようになりました。

   ぼくの家族は、在3人の息子(4才、2才、0才)がいます。移住後、まだ身の回りが落ち着かない状の中で、妻の妊娠、出が立てけにありました。近くにがいるわけでもなかったので、子育てはやっぱり大でした。しかし、ぼくの住む市木地区で、保育に通う子供たちの80%は移住者です。市木の保育では、なんと一家庭に3人の子供がいる家庭が主流という、子だくさんの地域でもあります。なので、子育てにしては、友人家族や、移住者家族たちとのつながりで、助かってる部分も大いにあります。

<移住を検討している方へのアドバイス>

image18 田舎暮らしを「スローライフ」と呼ぶことがありますが、ぼくの場合、スローな事は何ひとつありません。移住を考えている方は、「現在の生活に足りないもの」と、「田舎に何を求めているのか」とを、自問自答をして、よく考える必要を感じます。田舎で、田舎の文化でやっていくには、「自分で生きるんだ」というはっきりした自覚と覚悟が必要だと、ぼくは思います。

スイッチ1つでお湯が出る、なんて事もまずありません。今までやっていなかった事を、人のせいにせずに全部自分でやっていく、というのはとてつもない覚悟が必要なのです。

また、田舎に移住してすぐは、右も左もわからない状況かもしれません。先の話とは矛盾するようですが、全てを自分たちでやろうとせず、困ったら人に頼る事も、ときには必要です。もし、どんどん自分たちの弱い所をみせる強さを持てるなら、そしてそれを地元の方に相談できるのであれば、地元の方は喜んでくれることもあるし協力してくださることも多々あります。

「まずは自分でやってみる精神」と「弱さをさらけ出す強さ」さえあれば、田舎暮らしほど豊かな遊びはありません。